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Twitterの呟きまとめ。季節ものからコネタまで。



TLだよSSC 1



 2018 ハロゥインだよSSC


 でっちでっちとかぼちゃが廊下を歩いている。かと思いきや、大きなかぼちゃのぬいぐるみをうんしょとばかり抱えたソキが、いっしょうけんめい、のたくたと廊下を歩いている。
「……ソキちゃん、どうしたの、? それ」
「あっ、先輩ですぅ。あのねあのね、かぼちゃスルなの」
 ふぅーん、そっかー、よく分かんないなー、と思いながらよくよく見れば、ソキが抱きかかえていたのは、なるほど、かぼちゃの縫いぐるみを被せられたアスルである。かぼちゃのアスルだから、かぼちゃスル。なるほど、と頷くと、ソキは自慢げにいいでしょうかわいいでしょうはろいんですからね、と言って。そのかぼちゃスルをよいしょとばかり足元に置くと、満面の笑みで両手を差し出してきた。
「とりっくおあー、とりとー、ですよ。先輩。お菓子ちょーだい!」
「えっ、いたずらがいいな!」
「えっ」
 ソキが合法的にいたずらをしてくれる機会など、あってないようなものだからである。ねえねえ、いたずらして、お菓子ないし、と強請ると、ソキはええぇえ、とひどくしょんぼりした声を出した。なんでも、会う先輩会う教員がみんなお菓子を持っていなくて、いたずらをしているとのことである。そうだろうなぁ、と頷く。ぐずっ、とソキが鼻をすすりあげた。
「おかしいです……きいてたはなしとちがうですぅ……今日は皆が、そきに、お菓子をたくさんくれる日じゃないんです……? ソキの、ソキのましゅまろー……りーふぱい……ぷりん……」
「うーん……じゃあ、いたずらしてくれたらお菓子あげる!」
「やんやんやみぃんなそういうううぅー!」
 機嫌を損ねきった声で叫び、ソキはもうやんやんですううううっ、とじたばたした。ぐずっ、すんすん、と鼻を啜られるのを眺めていると、くちびるを思い切り尖らせたソキが、いーもんいたずらしちゃうですううう、と言った。わーい、してして、とわくわくしていると、ソキはぷぷっ、と頬を膨らませて。
「えいっ!」
 ぷにっ、とその指で、頬を突いてきた。
「えい、えいっ! うにゃんにゃっ!」
「え……えぇ……なにこのかわいいの……ソキちゃん、これなに……?」
「いたずらだもん! えいえい、突っついちゃうですぅ!」
 そっかー、いたずらかー、そっかー、もうむりかわいさでむねがくるしい。無言でうずくまった先輩に、ソキはふんすと勝ち誇った顔をしてふんぞり返った。
「うふん! いたずらしちゃったです! ……さっ、せんぱい? ましゅまろー、ちょーだい?」
「うん……後で買っていくね……お部屋に持っていくからね……?」
「きゃああんきゃあん! やったー! ですぅー!」
 さっ、かぼちゃスル、ソキと一緒にお菓子をたくさんもらいにいくですよぉ、と呟き、ソキがまたでっちでっちと、重たそうに廊下を歩いて行く。気をつけて行くんだよー、と見送り、さて、と購買部にでも行こうか、と思った時のことだった。その肩に、ぽん、と手が乗せられる。
「先輩おめでとうございます。記念すべき二十人目です。それについて話があります、ロゼアから」
「どうぞこちらに」
「死を感じる」
走って逃げようとするも、先回りしていたメーシャにあっさり捕まってしまう。ナリアンは達観した笑みで何人まで行くかなぁふふ、と先輩をずるずると会議室に引いていく。三十五を超えたところで、数えるのをやめにしたのだ、と後にナリアンは語った。


 ***


 にゃんこちゃんでもだめだもん


 いいですかぁっ、とソキが朝から涙声で怒っている相手は、ねぼけまなこの三毛猫である。ちまこい両手にうんしょと抱きあげられた姿は、ぐにゃりと伸びて足が地につきそうだ。あふ、とソキの気も知らずあくびをする猫に、ソキはんもおおおおっ、と怒り心頭の声でぐずった。
「ロゼアちゃんのだっこはソキの! ソキのなんですうううぅうぅうやんぅやん! ソキがロゼアちゃんにだっこして欲しいですえへへだっこだっこぉってしにきたのに、なんでにゃんこちゃがねてるですかぁああろぜあちゃんのひざはそきの! そきのおおおおお!」
 んもおおぉんもおおおおっ、と涙目でちたぱたするソキをひょいと抱き上げ、ロゼアが膝の上に乗せる。ぽん、ぽん、と背を撫でてあやせばすぐ機嫌は回復したらしく、ソキはふにゃふにゃとロゼアの胸元にすり寄った。そして、ソキは怒っていた猫を、よいしょと己の膝上に乗せる。
「……ソキの膝はロゼアのじゃないんだ?」
『メーシャくん、しっ』
「ふたりとも、聞こえてるからな?」


 ***


 3日に1回くらいみる


 瞼の上をそろそろと舐められる。くすぐったくてきゅぅと喉を震わせて笑えば、肌を宥めるように吐息が触れた。
「ソキ」
 頬をぬくもりが包みこんで、上向かされる。
「ソキ」
 ちゅ、と瞼に口付けが。
「ソキ、ソキ」
 頬にもひとつ。鼻先にもひとつ。触れて、舐めて、食んで、また触れる。熱が。は、と幸福に震えるくちびるが息を吸い込む。
「ろぜあちゃ……」
「ソキ」
 くちびるをなぞる指先の熱。くちびるに。吐息に。指先が触れている。
「……そき」


「……っていう夢を見たですもうちょっとでちゅうだったですもうちょっとで! ちゅうだったですびゃああああああああ!」


 ***


 2017にもしていた ハロゥインだよSSC


「とりっく、おあ、とりと!」
「……ん?」
「ロゼアちゃん? とりっく、おあ、とりとー、ですよ?」
 ちょうだいちょうだい、ねえねえはやくぅ、とばかり両手を差し出すソキの恰好はあひるさんである。でいじーだっくさんである。ねえねえかわい? と、てちてち歩いておしりをふりふりしている。目がしらを指先で押さえてかわいいよと頷き、ロゼアはソキにキャンディの詰め合わせを差し出した。きゃぁあんやんやん、と頬を両手で押さえておしりをふりふりする。
 ソキはいっぱいおかしをもらっちゃうですぅー、とてちてち談話室を移動するのを眺め、ロゼアは決意した。早く部屋に戻さなければ。


 ***


 そき ぷりん すき


 ててーん、と擬音つきで、ソキはそれをよいしょと両手でもちあげた。
「ばけつー! ぷぃーん!」
「……ん?」
「そきはぷりんちゃんをいっぱいたべるですぅー!」
 ろぜあちゃがいないすきにです。こっそりというやつです、ときゃっきゃしながら、ソキはプリンをきらきらした目でみている。あれでは夕食は食べられないだろう。というか誰だ貢いだやつ、と寮長は遠い目になる。めんどくさいが止めてやらねばなるまい、と思った矢先だった。
「いただきまーすーで・す・うー! あー……」
「ソキ」
「ん? ……あ、あー! だめぇー! ソキの! ろぜあちゃ、そきの、ぷりんちゃん……!」
 いやあああああソキのぷりんちゃんとたあぁあああっ、と悲痛な訴えが響く。ロゼアの許可なくソキにものを貢がないでください、というお触れが出たのは、それからすぐのことだった。


 ***


 4日に1回くらいみる


 ロゼアを朝、起こしに行くのはソキの役目である。ロゼアは朝ねぼすけさんで、あとついでにしんこんさんだからである。きゃぁんやぁんともじもじして、ソキは寝台を覗き込んだ。ロゼアは今日も夢の中だ。かわいい。
「ロゼアちゃん? 朝ですよー」
「んー……?」
 ねむそうである。かわいい。
「おはようのちゅうをすれば起きるぅ? ですー?」
「……んー」
「ふにゃぁんふにゃあぁん! ちゅってしてあげるですー! んしょんしょ。んー……」

 あとちょっとだったですううううう今日もちゅうのまえで目がさめたですあんまりですあんまりです、とヘコむソキの朝である。

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