「あんた大きくなったからっていい気になってソキをダンスに誘うんじゃないわよ……?」
「誘いませんよ! むしろ怖くて誘えませんよ!」
「あとソキのドレス姿を見るんじゃない目を潰すわ」
「いやロゼアに会いに行ったら十中八九ソキさんにはお会いすると思うんですけどえーそれだけで目を潰されなきゃいけないんですか?」
「ソキさんなんてなれなれしく呼ぶな」
「どうしろっていうんですか!」
「あっ、またリボン先輩とシディ先輩がソキちゃんをとりあってますよ!」
「やー取り合ってない取り合ってない」
「うふふっ。あぁっ、はやくパーティーの日にならないかな! ナリちゃん、驚いてくれるかしら! 喜んでくれるかしら! ナリちゃんと踊りたいなぁ! 正装したナリちゃんは絶対絶対素敵なの! ナリちゃん……正装したナリちゃん……きゃあぁあぁっ、素敵!」
「ニーア……落ち着こうぜニーア……」
「ということであんたがソキの傍に寄らないようにわたしはあんたを見張ることにするから当日一緒に来るのよ?」
「リボンさんと一緒にいったら絶対ソキさんの傍に寄ることになるとおも」
「なんか言った?」
「いえ何も」
「きゃあぁああナリちゃぁああん!」
「まだまだ先の話なのになーなんなんだろうなー」
パーティー前の妖精の丘は、とてもとても賑やかである。
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