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 熱砂の記憶 05

 ――いずれはまちにたどりつき、ひつじのまきげはさむいくにへ、ひつじのにくはうえただれかに。ひつじとひきかえにこぼれたきんは、ひつじかいのもとへいくのです。



 執務室に到着したロゼアをひと目みるなり、若君――レロクは、犬を追い払うようにしっしと手を振った。
「もういいぞロゼアお前は帰れ」
 挨拶はいらん、行け、適当に過ごせ、とロゼアに吐き捨てた彼はその隣に佇む実妹にふんぞり返って命じる。
「ソキ、突っ立っていないでさっさと入れ」
 一方、ロゼアの隣に立っていたソキは拳を握りしめてぷるぷる震えている。ソキ、とロゼアが宥めても聞く耳を持たない。彼女は上目使いに兄をきっと睨み据え、顔を真っ赤にしながら両肩を怒らせた。
「もおおおおおおおお!!! お兄様なんて! きらいです! だいきらいですよおおおおおおおおっ!!」
 どうしてロゼアちゃんにそういうこというですかそきねぇそきねぇそきのろぜあちゃんにそういうこというおにーさまがきらいですだいきらいですだいきらいです!
「ソキ、ソキ、俺は大丈夫だから。な? 喉を傷めるから」
「やんやんろぜあちゃんいじめるひとはそきだいきらいですううううううっ!」
 うううとむずがるソキを抱き寄せてその背を撫でさすりながら、ロゼアは内心は笑わずにはいられなかった。
 レロクの風当たりがロゼアに厳しいのは昔からで、むしろ声を掛けてくることが珍しいほどである。
 このソキとよく似た面差しの青年は、元花婿だけあってたいそう麗しいが、口を開けば相手に対して常に喧嘩腰。こと、ロゼアは、彼のソキという実妹の傍付きであるために、目の敵にされていた。一度は解雇までされている。方々からのとりなしがあって事なきを得たのだが。
「おかえりなさい、ロゼア」
 頭上に差した影にロゼアは思わず顔を上げた。件の解雇未遂事件を収めた筆頭の人物が側に立っていた。
「ただいま戻りました。……お疲れ様です、ラギさん」
 居住まいを正して一礼するロゼアにラギが顔を横に振る。
「いいえ、ロゼアも長旅お疲れ様でした」
 このレロクの傍付きであった青年は、次期当主の無二の側近として屋敷の雑務を引き受けている。ロゼアの母が彼の“世話をしていた”からだろう。レロクとは対照的に、その傍付きはロゼアのことを何くれとなく気にかけてくれていた。
「若君のことは気にすることはありません。ソキさまがお戻りになるということで、気が高ぶっているんですよ」
「はぁ、そうなんですか……」
 ロゼアとしては通常運行に見えるのだが違うようだ。ロゼアはレロクと、いつの間にか背後から出て兄に対峙しているソキを見つめた。顔を真っ赤にした似た顔を見るに、どうやら口論は白熱しているらしい。このままでは熱を出す。
 そう思って止めに入ろうとしたところを、ラギに阻まれた。
「熱は出させませんよ」
「だけどラギさん」
「若君もすぐに落ち着かれますよ。……ソキさまはこちらでもてなしますから、あなたはあなたの用事を済ませてくるといい」
「用事って……部屋の片づけとかもありますよ、俺」
 単に部屋の様子を見てくるだけにしても、戻るまでに一時間以上はかかるだろう。
「かまいませんよ。用事が終わったらソキさまの区画においでなさい」
「ソキの区画? まだ残っているんですか?」
 花嫁花婿はそれぞれ住まいとして一定の広さの区画が割り当てられる。数ある区画の中でもソキは王城を湖越しに望むことのできる外角の一部を与えられていた。が、それはソキが屋敷を出るまでの話だ。本来であれば彼女の区画はそのまま次代の花嫁花婿に譲渡されているはずだった。
「いましばらくはそのままの予定です。学園に戻るまではソキさまに自由に使っていただける」
 つまりソキが長期滞在できるように世話役たちも揃えたらしい。傍付きと共に行動する、花嫁花婿について熟知した者たちだ。しかも勝手知ったる場所となればソキも安心して滞在できる。
 それはロゼア自身も重々に理解しているのだが。
 足が動かなかった。
 不安なわけではない。
 そもそも自室の様子を見るためにソキの側をしばらく離れる予定だった。屋敷でも、学園でさえ、ソキをひとりにすることは度々あるのだ。ソキの身に問題がないかぎり、それを躊躇ったことはない。けれど、今回ばかりは足が動かなかった。学園を出てから二週間あまり。かつてないほどソキと離れなかったからかもしれない。
「ロゼア」
 そんなロゼアをどのように思ったのか。忍び笑いを漏らしてラギが語りかけてきる。
「……安心なさい。あなたの留守中は、世話役たちが守りますよ」
 そろそろ来るでしょう、と彼が呟くと同時、ロゼアは廊下の向こうに気配を感じた。足音もなく滑るように近づいてくるふたり分のそれは、ロゼアのよく知ったものだ。
 ここん、と軽い叩扉の音が響かせ、来訪者たちが名乗った。
「リグルーシュ、メグミカ、到着いたしました」
 レロクとの口論を中断し、ソキがぱっと振り返る。
「……めぐみかちゃん?」
 レロクも顔を綻ばせて叫んでいた。
「リグ!」
「はいりなさい」
 ラギの呼びかけに応じて、来訪者たちが入室する。そのよくよく見知った顔を眺めて、ロゼアは思わず名を呟いた。
「メグミカ。……リグ」
 メグミカ、そして、リグ。
 メグミカは短めに切り揃えた赤みの強い金髪ととび色の瞳、小麦色の肌を持つ、ロゼアと同年の少女だ。リグはオニキス色の短い巻き毛と夜色の肌、目の醒めるようなひときわ明るい青の瞳を持つ、ロゼアよりもふたつ年嵩の青年である。メグミカとリグはロゼアを一瞥したものの、まずはとソキの下へまっすぐ歩いていった。
 メグミカはソキの目の前に、リグはその斜め後方にそれぞれ片膝をつく。そして声を揃えて言った。
『お帰りなさいませ、ソキさま』
「……めぐちゃん……!」
 初めはやや呆然とした風だったソキはその後、ひと息に喜びの色を顔に広げ、メグミカに両手を伸ばした。彼女の手を両手で握りしめ、泣き出しそうな声で呼びかけを繰り返す。
「めぐみかちゃん……メグミカちゃん!」
「はい。はい……! メグミカですよ、ソキさま」
 ロゼアの同期生であるメグミカは、ソキの世話役のひとりだった。
 そもそもメグミカはソキの傍付き候補であった。数人付けられた候補たちの中でもソキはロゼアとメグミカをとりわけ傍に置き、そして最後に選んだのはロゼアの方だった。メグミカ自身はロゼアの補佐としてソキの下に残った。ロゼアが席を外す際にソキの側に控える世話役の少女。それがメグミカである。
「滞在中のことはリグから聞くように。……メグミカがいれば安心でしょう?」
 行きなさい、とラギが告げる。それは命令だった。
 ロゼアは職を辞して学園に入学した。だからといって屋敷の命令を拒否できるようにはできていないのだ。
 ロゼアは密かに吐息し、ソキへと歩み寄った。
「ソキ、ソキ」
「はい、はい。なんですか? ろぜあちゃん」
 傍らに膝を付いたロゼアに笑顔を見せて返事をするソキは、ひどく上機嫌だった。メグミカとの再会からか、頬は上気していたものの、熱っぽさや気だるさとは無縁の表情がそこにある。
 ロゼアはソキの片手を握りしめ、髪、頬、額と、手を滑らせながら告げた。
「俺、ちょっと離れるけど、何かあったらすぐに戻って来るから」
「え……」
 ソキの目に走った驚きと落胆をロゼアは見逃さなかった。
「と……え?」
 それは彼女が“旅行”や“閨教育”でロゼアと引き離される折に度々見せるものだった。その悲痛そうな表情をいたましく思う一方で、彼女が自分と離れがたく思ってくれていることを知ってほっとした。屋敷で過ごしていた頃も、学園でも、お互いが離れていることは普通で、離れて生活することに躊躇を覚えることはほぼないといっていい。だが、いまこの瞬間は、離れがたかった。それと同じ思いをソキも抱いているのだとわかって、嬉しくなった。
 ソキと額を合わせて、ささやく。
「喉を傷めないようにな。また迎えにくる」
 顔を放すと、メグミカと目が合った。彼女は笑って片目を瞬かせた。
 彼女の背後ではレロクがしっしと犬を追いやる仕草をまた繰り返している。ロゼアは苦笑しながら立ち上がりレロクとラギに一礼して外へ出た。
 閉じた扉越しにソキの癇癪とレロクの反論、メグミカの宥める声が漏れ響く。兄への罵倒がすぐに収まったことから判ずるに、メグミカは上手くソキをあやしたのだろう。
 何となしに扉を眺めていたロゼアの背後で、ふと忍び笑いが響き始める。眉をひそめて踵を返せば、先に退室していたリグが廊下の壁際で壁に手をつき、口元をひくつかせていた。片手で腹を抱えている彼の下にロゼアは無言で歩み寄る。そして彼の脛を軽く蹴ってやった。
「何がおかしいんだよ?」
「べっつに?」
 は、と笑いを収めて身を起こしたリグが、ロゼアの問いかけに肩をすくめた。
「旅行送りんときみたいな悲壮な顔するからさ。てかいってぇな蹴るなよ」
「加減したろ」
 だいたい避けようと思えばできたはずだ。彼もまたロゼアと同じように訓練を受けた、傍付きのひとりなのだから。
 軽口をたたき合うと、気持ちも切り替わってきた。それがリグに伝わったのだろう。壁から離れた彼は笑いながらロゼアの頭を勢いよく鷲掴んだ。身構えていなかった分、ふぐ、と奇妙な声が漏れる。
「んなところでぼーっと突っ立ってるなよ。いくぞ、ロゼア」
「わかってるって……リグ、あたま!」
 ぐしゃぐしゃと頭を掻きまわしてくる青年にロゼアは渋面になりながら訴える。が、満足するまでやめてくれはしないだろうし、ロゼアも無理に振り払うつもりはなかった。慣れたやりとりだったからだ。
「おかえり、ロゼア。……待ってたぞ」
 屋敷の――とりわけ、傍付きの、誰もが。
 頭を解放したリグが軽く拳を掲げてささやく。ロゼアは生温い目で彼をしばし眺めた後、ちいさく笑いに噴きだしながら拳を打ち合わせた。
「ただいま、リグ」



 同じ傍付きであるリグ――正式な名をリグルーシュという――とは、物心ついたばかりの頃からの付き合いだ。訓練生の同期であり、悪戯を共に企み、時に口論から殴り合いまでの喧嘩を繰り返した。候補となり、傍付きとして選ばれ、そして完成するまで、苦楽を共にしてきた兄弟分であり親友である。
「ミルゼ様は?」
 傍付きであるリグはソキの異母姉を花嫁としている。年齢的にはもう嫁いでいなければおかしいのだが、無事に嫁いだという話をロゼアは聞いていない。
 旅行中だよ、とリグは言った。
「冬至前だしそろそろ帰ってくると思うけど、まだ先触れがない」
「そっか」
 つまり、ロゼアと親しく暇を持て余している傍付き、ということで、リグは若君の補佐たるラギからロゼアへの説明役を命じられたらしい。リグはさっそくだが、と前置いてレロクたちと再会した〈本邸〉から裏方へと向かいがてら、ロゼアとソキが屋敷で過ごすにあたっての注意事項を語り始めた。
 ソキは、嫁いだことになっている。
 事前にラギから手紙で通達されていたことではある。リグはその点をさらにいくつか補足した。ひとつ、ロゼアはソキが嫁いで直後に他国の学校へ入学したことになっていること。ひとつ、しかしながら真実を知る人間は決して少なくないこと。
「じゃあソキが俺と一緒に学園へ入ったっていうことを、傍付きたちは知ってるのか……」
「ただし、上の世代だけな。成人してない傍付き、候補、訓練生はもちろん、他の部署は上層を除いては伏せられてる。世話役や輿持ちだと元々ソキ様付きだった人間にだけ話が行った」
「ウェスカたちにも?」
「もちろん。今頃はソキさまの部屋で待機してるさ」
「そういえばソキの区画、まだ残っているんだな」
 その詳細についてラギから説明はないままだった。思い当たる理由はあるが、念のために確認をする。
 リグは予想通りの回答をロゼアに返した。
「来年には埋まるよ。今年はふたり、外れたからな」
 外れた、とは、花嫁花婿が、嫁ぐ前に亡くなったことを示す、隠語だ。
「ふたり? 年長?」
「いや、年少。……ひとりはロゼアが出た後に来た方。もうひとりはルーン様だ」
「今年で五つにおなりだったよな。……リリーたちはどうなった?」
「リリーはアグ様についた。テスウェルは医療方に移動。あとのふたりはしばらく様子見だ」
 そうか、とロゼアは呟いた。
 砂漠の輝石、と呼ばれる花嫁花婿たちは、育てられる以前に生まれからして脆い。本当に、脆いつくりなのだ。どれだけ気を付けていても些細な熱や怪我で容易く命を落としてしまう。無事に生き残れる者は、ひと握りである。
 リリーたちは亡くなった花婿に付いていた傍付き候補だった。初めて付いた花嫁や花婿が失われることほどつらいものはない。自身の実力や負傷、適性の関係で花嫁花婿の下を離れるのではないのだ。時に候補者はそのままどの部署にいつくこともできず脱落していくし、逆にその経験を生かして無事に傍付きや他の専門として完成される者もいる。立ち直ってくれればいいが、と、ロゼアは胸中でリリーたちを案じた。
 廊下は人払いがなされているのかすれ違う者もおらず静かだった。もしくは単にそれぞれの担当する区画に詰めているだけか。
 花嫁花婿の姿はない。彼女たちがこの道を用いることは火急の折を除いて皆無といっていい。使用人専用の領域なのだ。
 屋敷はいくつかの区画から成り立っている。
 ソキを残してきた〈本邸〉は、当主や次期当主、および屋敷の管理運営に携わる者たちだけが部屋を持つ小さな館だ。その本邸を額として、花咲くように花嫁花婿の居住区が広がる。花びら一枚分が、花嫁花婿ひとり分の区画というわけだ。決して比喩ではなく、王城や教会の鐘楼といった高い位置から屋敷を見下ろせば、その敷地が円形の壁に囲まれた花のかたちをしていることが見て取れるだろう。砂漠の輝石たちは決められた区画の一階部分を行動範囲として定められ、嫁ぐ日が来るまで教育に明け暮れながら大半をそこで費やすのだ。
 一方、休憩所、厨房や洗濯場、工房、学術所などは二階から上の階層や、花びらと外壁の間に建てられたいくつもの棟に設えられていた。本邸の二階から外壁に向かって連絡通路が放射状に渡され、使用人たちが広い屋敷を素早く移動できるように配慮がなされている。ロゼアたちはその空に渡された通路を歩きながら、花嫁花婿たちの区画を越えた先にある使用人たちの居住区へと向かっていた。
 最も賑わいを見せる勤務交代の時間までまだかなりある。
 やわらかな色合いの幾本もの光線が、等間隔に設えられた左右の窓から互い違いに差し込み、石造りの廊下の宙で交差している。目を眇めながら窓の外に視線をやれば、階下の庭で遊んでいる、菫青の髪の花嫁と目が合った。傍付きの手を借りて鳥を愛でて遊んでいるらしい。ロゼアが会釈すると花嫁は微笑を返してくれた。
「ファラさま?」
「うん。……感じが変わったな。前は手を振ってくださったのに。始まった?」
「あぁ。傍付きの方も」
「そっか。……よかった。残りそうだな」
 傍付きがロゼアの知る少年から変更されていない。山を越えたということだ。特別な問題が起こらなければ、彼はそのまま成人の年に菓子を振る舞うことができるだろう。
 花嫁花婿がその脆さから早く枯れることがあるように、傍付きも完成されることなく終わることがある。候補時代なら修正もきくが、選ばれた後ではそう簡単にはいかない。狂って、壊れることが圧倒的に多い。
「この半年でいなくなったのはいないな。そこは安心しろよ」
「うん」
「ただし、下の奴らは、だけど」
「……うん?」
 リグの含みのある言い方にロゼアは眉をひそめた。
 リグが神妙な顔で告げてくる。
「ラーヴェさんだ。剣を返した。つい先週だ」
「……辞めたのか? ラーヴェさんが? 屋敷を?」
 思わず足を止めてロゼアは矢継ぎ早に訊きかえした。半ば、信じられなかったからだ。
 ラーヴェはロゼアの父よりさらに上の代の、優秀な傍付きだ――だった、というべきか。温厚な性格ながら、その剣術は歴代でも指折りで、知識も幅広く、下の代の面倒見もよかったという。だが“運営”側からの風当たりは強いを通り越して苛烈ですらあり、何も知らぬものから見てさえ制裁じみていた。
 彼の花嫁は、レロクとソキの母。
 ラーヴェは彼自身の花嫁を、無事に嫁がせることのできなかった、傍付きだった。
「……考えてみたら、辞めてもおかしくないよな。長やネルフさんたちや……父さんたちからも勧められていたんだろうしな」
「そうだよな……。……もう少し待ってくれれば、ソキも会えたのに」
 幼少のソキはもっと人見知りが激しく、ラーヴェにくっついて離れなかった。ソキ自身にロゼアを始めとする候補が付けられてからも、ソキが母の傍付きを慕う姿は変わらなかった。ラーヴェもソキをよく気にかけていたはずなのだ。
 辞職の予定はロゼアが帰省を決めるよりも以前に決まっていたことだろう。しかしソキが戻るまで待つことはできたはずだ。ラーヴェはそうしなかった。あえて避けたのだろうか。
 いや。
(もしかしたら……)
 会ったのかもしれない。
 王都の手前の都市。駱駝の手配をするロゼアの視界から、ソキは急にひとりで姿を消した。
 飴売りに興味を引かれたのかと思っていたが、あれは――……。
 ラーヴェと会ったからか。彼の辞職を知ったからか。
 それならば納得できる。ソキの様子がおかしかった理由が。ロゼア自身に何か問題があったわけではなかったのだ。
 ラーヴェはソキの母の傍付きだった。彼女を最愛の、と呼び、彼女の死を看取った。その死の後も、屋敷に残って見守り続けた。
 彼の花嫁の息子と娘を。
 彼が血を分けたのかもしれないと、噂されるふたりを。
 レロクとソキは当主の継嗣と末娘だ。ラーヴェは父ではない。
 けれど彼の髪と瞳の色は、ソキのそれらと、全く同じものだった。

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